質問会議がいいのは、最後に課題提示者の行動計画を考えるところです。
質問会議のプロセスは大きく3つあります。
・課題解決につながる質問をする
・課題を再定義する
・ゴールを設定して、行動計画を考える
質問を重ねていったあとに、メンバーがそれぞれ、課題提示者の問題の本質を提示する「課題の再定義」。たとえば、「早起きができない」という課題を、「気持ちの切り替えができていなくて、夜すっきり眠れない」という課題へと再定義するわけです。課題提示者は、メンバーが出してくれた課題の再定義をみて、一番納得度の高い定義を採用します。
もし上記の再定義が選ばれたとしたら、それをもとにゴールを設定します。ここでは、「気持ちの切り替えができて、夜すっきり眠れる状態」というのがゴールになります。メンバーはさらに、課題提示者がそのゴールに辿り着くために必要な行動を考えます。この行動は、
・期限までに、○○をする
という形式で書かれます。かならず期限を設定するわけです。ここで、あくまで「行動」を設定するところがポイント。質問会議はアクションラーニングという領域のなかのひとつの手法として位置づけられますが、それはここで計画される行動の中から学びを深めていくからです。
・今夜から毎晩、寝る前に5分の瞑想をする
・今週中に、仕事上の懸念点をすべて紙に書き出す
・今週末によく眠れる心地の良い枕を買う
などさまざまな行動計画が示され、そのなかで、やはり課題提示者が納得するものを選んでいきます。こうして課題解決のための行動計画まで一緒に考えていると、メンバーの間にも不思議な一体感が生まれてきます。課題を他人事のように考えるのではなく、自分ごととしてサポートのためのアイデアも浮かんできます。最後にそうしたサポートのオファーをやり取りすると、すっかりチームとしての団結が生まれています。
相手の立場になって考える。言うのは簡単ですが、行うのは難しい。これを質問に限ることによって簡単に実現し、さらに行動計画まで落とし込むことで実行に結びつけていく。ここに質問会議のパワーの源泉があります。