テレワークが現実化しているなかで、それでもやはり、顔を突き合わせて仕事をするメリットもあります。そのひとつが開発合宿。離れてプロジェクトを進めることの多い社団法人の事業では、毎年合宿を行ってそこで新しい企画を考えるようにしています。昨年は北鎌倉の古民家を貸し切って、一泊二日で新しいビジネスモデルの構想を考えました。
こうしてまとまった時間をとると、企画があっという間に形になっていきます。SlackやZoomなどでの遠隔のコミュニケーションは、確かに効率はいいのですが、開発合宿のような濃密さは期待できません。この日も、スタイロフォームなどの素材を使った事業のプロトタイプ製作まで進みました。
大学院で受け持っているゼミでも、やはり合宿を行っています。名古屋商科大学ビジネススクールでは、卒業要件としてケースの執筆が義務付けられており、そのケースライティングです。初日には、それまで書き上げてきたケースを使ってケースディスカッションの模擬講義を行い、そこででてきたケースの課題を踏まえて、さらにケースをブラッシュアップしていくのです。
こうした開発合宿向けのオプションを用意している旅館も増えてきていて、wifiが整備されていたり、会議室が24時間使えたりといったサービスがあります。疲れたら温泉に入ったり、外に散歩にでかけたりして、気晴らしもできます。
そしてなにより、夕食など一緒に盛り上がることによる一体感。これは何ものにも代えがたい貴重な体験です。インターネット技術が進歩したからこそ、こうしたフェイストゥフェイスの合宿の重要性も高まるのだと思います。