マインドマップは、ゆるやかに情報をつなげていくことを目的にしているので、抜け漏れがどうしても起こります。また、枝を伸ばしていったときに別の枝に書いた要素とダブることもあります。論理的に考えるときには、こうした抜け漏れやダブりを極力なくしていくのが原則です。英語での表現、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの頭文字をとって、MECE(ミッシー)というかわいい名前で呼ばれています。
このミッシーを実現するために一番手っ取り早い方法は、すでに用意されているフレームワークを使うことです。たとえばマーケティングのフレームワークである4Pは、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販促活動(Promotion)の四つのPを示したものですが、商品のマーケティング活動を企画するうえで欠かせない四つの要素を漏れなくダブりなく整理できます。
僕がよく使っているのは、次の三つです。まず、外部環境を分析するときに使われるPESTは、政治的(Political)、経済的(Economical)、社会的(Social)、技術的(Technological)な外部要因を漏れなく整理するのに便利です。個人や企業を取り巻く環境は刻一刻と変化しており、その変化をこの四つの視点で整理していくと、ずいぶんスッキリします。
それから、組織の内部的な要素を分析するのにはマッキンゼーの7S。これはハードの3つのS、ソフトの4つのSによって成り立っています。企業文化なども含め多角的に捉えることができるので、重宝しています。
https://www.rosei.jp/readers-taiken/article.php?entry_no=55567
最後、ビジネスモデルを分析、創造するには、ビジネスモデル・キャンバスは、僕が翻訳した『ビジネスモデル・ジェネレーション』で紹介されたものですが、自分で関わっているから言うのではないのですが、本当に効果的です。ビジネスモデル構築に必要な要素が9つのブロックに整理されており、あらゆる事業に共通して考えなければならない要素を漏れなく記述することができます。(厳密には分析のためのフレームワークではなく、創造のためのキャンバスという位置付けですが、MECEに捉えられるという効果は同じです。)

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こうしたフレームワークを使うことによって、無理なく論理的に整理ができるようになります。
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