アイデアを思いつけないという人がいるけれど、実際にはアイデアを出せない人なんていない。ただ、アイデアを出す状況にないだけです。
たとえば、猛獣に襲われそうになってどうにかピンチから脱出しなければならないという状況に置かれれば、誰もがとっさに行動するでしょう。そこには、助かる可能性がありそうだという行動のアイデアがあるはずです。追い込まれれば即興的に出てくるのがアイデアなのです。そうでなければ、猛獣の住む森のなかで、人類が生き延びてこれなかったからです。
原始時代、あらゆる発想のヒントは、自分のいる場所にありました。今ここにあるものから発想していたのです。現代人は、今ここから情報をキャッチする力が衰えてしまったため、アイデアがでなくなったのです。そういう意味で、原初のアイデア発想力を取り戻すためには、即興力を鍛えることが重要なのです。
即興力を身につけるために3つのステップがあります。ひとつは、今起こっているできごとを、まずまるごと受け入れること。いいことであっても悪いことであっても、です。起こったことをあれこれ後悔せず、「それはちょうどいい!」と前向きに受け止めるのです。
そのうえで、その状況に自分から関わって行く。なにかできることがないかと、取り組んで行く。火中の栗を拾いに行くのです。状況を受け入れて、そこに関わることを、即興では「Yes, And」といいます。Yesで受け入れ、Andで自分なりに展開していくわけです。
そして三つ目のステップが、大きな目的を察知するということです。たとえば怪我をして入院したとします。まずその怪我を受け入れて(Yes)、その上で本を読もうとか勉強しようとか、怪我をしたからこそできることを考えます(And)。そのうえで、「なぜ今、こんな怪我をしたのだろうか、その意味はなんだろうか」と考える。もしかしたら、「忙しく働きすぎたから、一度人生を見直しなさい」ということかもしれないですし、「無力な自分に気づいて、周りに感謝する機会を与えてもらった」ということかもしれません。こうして大きな目的を感じながらいきていると、あらゆるできごとを前向きに受け止めることができます。
即興力を身につけると、もう何も怖くありません。どんな場所でどんなことが起こっても、それを真正面から受け止めることができる。まるで猛獣たちに囲まれた世界で生き延びた人類の祖先のように、です。
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