トヨタのリーン生産方式は、過剰な在庫を抱えないことで有名です。下流の工程が必要な部品を上流工程に取りに行き、上流工程は引き取られていった分の部品を補充していきます。もっとも下流の現場から、まるで神経系のように在庫補充の命令が上流工程へと伝わっていくのです。
この考え方は、もともとアメリカのスーパーマーケットのやりかたから着想を得ていて、スーパーマーケット方式と呼ばれたりしていました。スーパーでも、お客さんが必要なものを棚から取っていき、取られていった分だけ補充をしていきます。その名残として、在庫をおいてある場所は在庫ストア(お店)と呼ばれています。これであれば、引き取られもしないのに過剰に在庫を積み上げることがなくなるのです。
このスーパーマーケット方式を家の在庫管理にも応用してみたらどうでしょうか。今や、都市部ではコンビニがいたるところにあります。自宅の冷蔵庫には過剰な在庫を持たず、必要となったらコンビニに引き取りに行く。そのためには、大容量のものは買わず、コンビニで売っているような小さな分量のもので揃えるといいでしょう。
たとえば、一人暮らしであれば瓶のタイプのドレッシングを買うのではなく、そのつど小分けのドレッシングを使う。サラダも、レタスをまるごと買うのではなくカット野菜のサラダでその日の分だけを買う。
飲み物も、1リットルのものを買うのではなく、180mlのドリンクを買ってその日のうちに飲みきるようにすると、その日の気分によって飲み物も変えられます。
そうして必要なものを必要な分だけ購入していくと、家の冷蔵庫に過剰な在庫を抱えなくてすむようになるのです。