仕事を高速で進めていくなかで一番、無駄な時間が悩む時間です。悩むくらいなら、まずは取り掛かってみたほうが早い。そうすれば課題も見えてきて、解決方法を誰かに相談することもできます。悩んでいる状態でいると、他の人も手伝いにくい。さきほど紹介したクラウドソーシングでもできません。
もちろん悩むことも重要です。しかし仕事という目の前にある具体的な壁を前に、悩み続けることは無駄です。悩むのと考えるというのは、まったく異なります。
かく言う僕も、もちろん悩みます。たとえば本を書くときにも、何をどういう風に書こうか、悩む。でも書いてきてわかったことは、そういうときはまず書いてみるほうが早いということ。書いたものが刺激になって新しいアイデアがやってきて、思ってもみなかったその先を書くことができるのです。
悩む時間を極限まで減らすにはいくつかのアプローチがあります。
1)失敗しても大丈夫な余裕を持つ
なぜ悩むか。その理由の一番大きなものは、失敗してはいけないというマインドセットにあります。失敗しても、次に成功すればいいんだと思えば、悩むことはありません。仕事において悩む状態というのは、「これをやって、ああいうふうに失敗したらどうしよう」という未来に起こる出来事に対する杞憂に囚われているだけなのです。
2)最悪の事態を想定して、それを受け入れる
その余裕はどのように生まれるかといえば、「失敗しても大丈夫」という安心感です。これは失敗しないという安心感ではありません。失敗しても大丈夫、なのです。失敗したときにどのようなことが起こるか考えてみるわけです。
自由が丘にニライカナイというお店を作るとき、銀行からも借り入れをして、それなりの投資をすることになりました。小さな投資ですが、失敗したら借金だけが残ることになります。そのときも、最悪の事態を考えてみました。そうしたら、ちょっといい車一台分なんです。
他の人にも新規事業をやろうとしている人にもよくいうのが、「車一台分のリスクなら誰でもとれるはず」です。多くの人は車をローンで買っているはずです。その支払えるローン程度のリスクと思えば、失敗も受け入れられるのです。
3)悩む時間をなくす
悩むのは夜。家に帰ってから、あれやこれやと悩む。また朝がくれば、悩む時間もなく会社に行くことになります。悩まないためには、夜早く寝る。これに限ります。