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5割で提出し、完璧を目指さない

こうして短時間のうちに仕事を進めていこうとすると、どうしても質とのトレードオフが発生します。短時間にやろうとすればするほど、仕事の質は下がってしまう。もう少し時間をかければ、もうちょっとよくなる。そう思って時間をかけてしまうのです。しかしこれでは、長時間労働は解消できません。

仕事というのは、0から50くらいに持っていくのは、比較的簡単です。そこからさらに80くらいまで仕上げるのも、それほど労力はかからないでしょう。しかしそこからさらに精度をあげていこうとすると、どんどん大変になっていきます。99を100にするのには、おそらく0から50にするのと同じくらいの時間と労力がかかるはずです。仕上げというのはそういうものなのです。

だとすると、まずは50まで到達したところで、さっと提出してしまったほうがいい。50までと割り切れば、それこそ圧倒的なスピードで仕事をこなすことができます。

どうすれば50の出来で納得してもらえるか。それはスピードです。

期待値は、時間とともに上がっていきます。打ち合わせ30分後に仕上げてきた議事録よりは、3日後に上がってくる議事録の方が精度が高いと誰もが期待するでしょう。さらに一週間後にもなれば、相当なものが期待されます。

遅れれば遅れるほど、求められる基準が高まり、結果として手間も増えていく。負のスパイラルに陥るのです。

方向性を確認して、無駄を減らすリーン・ワークスタイル

50%提出は、さらに大きな利点もあります。方向性が間違っていたりした場合、大きな痛手になる前に確認ができるという点です。相手の求めているものについて確信が持てない場合なども、まずはラフな状態で提出をして確認できるのです。

こうしたやり方は、仕事だけではありません。最近では商品開発や事業開発においても、リーン・スタートアップという方法が行われています。リーンとは無駄を排除するという意味。完璧なものを作るのではなく、まずは基本的なコンセプトや価値が伝わる最低限の製品(MVPと呼びます)を作って、顧客の反応を見る。その反応から学びながら、さらに精度の高いものを作っていく。いきなり作りこむのではなく、こうした試行錯誤によるブラッシュアップを行うことで、無駄な開発を避けるのです。

50%での提出は、手抜きではありません。仕事の無駄を減らし、仕事の精度を高めていくためのリーン・ワークスタイルなのです。

 

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