ブランド構築のお手伝いをしている。ブランド構築においては、ブランドミッションを確定し、ブランドの世界観を表現する必要がある。その世界を表現するという目的のもと、ロゴなどのグラフィックをはじめとした表現要素が確定していく。
ブランド表現とマーケティング上の表現の違い
このとき気をつけないといけないのは、マーケティングメッセージとの違いであり、また一貫性である。ブランドは、唯一無二の存在として表現されるが、マーケティングメッセージは当然、競合他社との違いを際立たせるものになる。つまり、コンテンツの内容は、当然異なる。
たとえばAppleはThink Differentという有名なタグラインを設定して、独自の世界観を打ち出したが、製品レベルのマーケティングでは、Windowsとのコミカルな比較広告などを行なっていた。
MacのCM「Get a mac」日本バージョン-ラーメンズ - YouTube
ブランドでは他社を意識しない独自のビジョンを打ち出しながら、他社との競争におけるマーケティング施策においては、他社との比較の中で自身を位置づける。ここをまず切り分けておく必要がある。
しかし、同時に一貫性も担保しなければならない。
一貫したコンテキスト
コンテンツは異なっていながら、どのように一貫性を担保するのか。それはコンテキスト(文脈)レベルでの一貫性を保つということである。比較広告をしながらも、Appleは一貫して、人々の創造性を刺激し、クリエイティブな生活を送ってほしいという文脈は、維持している。それが、iPodのダンサーのCMであっても、最近のiPadのCMでも同様である。
iPad Pro — コンピュータって何? — Apple - YouTube
コンテンツは変化させていかなければ、飽きられてしまう。コンテンツレベルでの変化を続けていくことが、そのブランドの革新性にもつながる。しかし一方で、コンテキストレベルでは、頑固なまでに一貫させていく必要がある。