新規事業を立ち上げるには、三つの文脈が重なる必要がある。
ひとつは、社会における大義である。マーケットニーズを含め、なぜその事業が求められているかという理由である。
ふたつめは、その事業に取り組む、個人的理由である。その理由が曖昧なままだと、辛く長い事業開発を乗り越えることはできないだろう。
三つ目は、企業の文脈である。企業内起業家として新規事業を立ち上げるときには、その企業のオリジンに立ち戻って、「なぜその企業がその事業をやるのか」と問う必要がある。大企業も、もともとは小さなベンチャーだった。その当時のベンチャー精神を掘り起こし、その創業の志に再びスポットライトをあてる。
この三つの文脈の重なったところに、新規事業が生まれる。その三つの文脈をときに大胆に、ときに繊細な手つきで擦り合わせていくのが新規事業である。