今回の佐野研二郎さんのデザイン、僕は好きです。1964年と比較される中で、そのミニマリズムを継承しながら、新しいものにしているのって、すごいと思う。
さっそく動画もあがっていて、モチーフがさまざまに展開する様子を見ることができます。
動画の中で一瞬、富士山もでてきますね。
なんとなく箱根駅伝を思い出します。
こういうふうに、組み合わせによってさまざまな象徴表現ができる、いわばデザインのエレメント(元素)になっていると思いました。
このデザインは、おそらく単体で表現されるものではなく、その後のデザインシステムの基盤となるでしょう。札幌冬季五輪のエンブレムを担当したデザイナー永井一正さんは、東京デザイン2020フォーラムでこんなふうに語っています。
私は1966年の札幌冬季オリンピックのとき、指名コンペでロゴマークをつくらせていただきました。東京から札幌にいたる流れまでは、勝見勝さんを始めとした委員会、いろんな指名コンペのメンバーが力を合わせ、見事にデザインシステムが稼動していたと思います。
残念ながら長野オリンピックになりますと、絹谷幸二さんのポスターや、原研哉さんの賞状など、個別に優れたものはありましたが、全体としては統一がとれませんでした。これは大変な損失だったので、2020年の東京オリンピックでは、デザインの統一がとれたシステム化を図る必要があるのではないかと思います。
統一のとれたデザインシステムが開発されるのが楽しみです。