いよいよダイソンも掃除ロボットを投入してきました。(Dyson 360 Eye™ | Dyson.co.jp)数年前までは、あくまでニッチな機器であり、それほど売れている印象はありませんでしたが、いまや売れ筋商品のランキングの上位に顔を出すようになってきました。価格コムでも5位にランクインしています。
日本のメーカーもこの分野に力を入れ始めています。東芝はサムスンからのOEMで提供していた掃除ロボットを自社開発し、ブランドもスマーボからトルネオと新しくしました。2年をかけて開発というので、2012年にはかなり危機感をもって開発をスタートしたのだろうと思います。
東芝が“本気”のロボット掃除機 自社開発の「トルネオ ロボ」を9月発売へ | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉:日経BPオールジャンルまとめ読みサイト
従来の掃除機の進化とはまったく違う文脈から生まれた掃除ロボット。以前は機能的にも十分とはいえず、あくまでアーリーアダプター向けだったものが、これからマスマーケットに普及してくことになるでしょう。
これはいわゆる破壊的イノベーションの一例と言っていいと思います。それまで市場シェアをとっていた企業が出遅れ、iRobotという掃除機の分野ではまったく無名の企業がシェアを獲得しました。
破壊的イノベーションにおいては、当初十分な性能がなく既存メーカーからは無視されます。しかしその後、技術革新によって最低限の性能を満たすことになり、あるタイミングから顧客シェアを奪っていくことになります。
こうした破壊的イノベーションでは、市場においてリーダーシップを取ったところがそのまま、大きなシェアをとる確率が高まります。そのため、それまで無名のメーカーがトップに踊り出ることも少なくありません。ゲーム業界におけるモバゲーやグリー、その後のガンホーがそうですし、電気自動車におけるテスラモーターズもそうでしょう。スマートフォンという革新におけるAppleやGoogleなども該当します。
業界トップ企業はこうした破壊的イノベーションの台頭に無関心であってはいけませんし、逆に下位にあまんじていたり、新しい市場に新規参入する場合には、こうした破壊的ノベーションの普及のタイミングを逃すべきではないでしょう。