デザイン思考には、アートの側面とサイエンスの側面がある。
顧客の行動観察や思考を拡散させていくブレーンストーミングには、主にアートの思考が働いているように思える。分析的に捉えるのではなく、感じ取る感性が欠かせない。
一方でプロトタイピングとなると、サイエンスの思考の出番だ。でてきたアイデアを実現するには、さまざまな制約があり、その制約の中でものやサービスをつくっていくことになる。ここには、サイエンスで必要な確実性や再現性が求められる。
この両方の思考の働きを統合するのが、デザイン思考だと考えて問題ないだろう。(もちろんこれはスッキリわかれるわけではなく、ブレーンストーミングのときだってサイエンス的な思考は働くし、プロトタイプを使って見るときにはアート的な思考も働く。)
アート的な拡散思考、サイエンス的な収束思考。この思考の行き来を促進するのが、デザイン思考なのだろう。