【山本太郎参議院議員の直訴問題に、海外ネットも深い関心を示しています。アメリカのYahooニュースで配信されている関連記事には2013年11月11日までに1,218件のコメントが寄せられており、山本議員の行動を肯定的に評価する声が目立った。】
小山:ひとつは、ブログでもいろいろと書かれているけれども、山本太郎という人が象徴しているものっていうのは「日本のヤンキー文化」っていうことなんですよね。
能か歌舞伎かで言うと、歌舞伎的な、きらびやかで、すごく情に訴えて、ある種単純でわかりやすい勧善懲悪とか、義理人情の世界なわけです。だから、江戸時代までさかのぼったら、山本太郎のようなやつはいっぱいいたよね、っていう。それを違う切り口で彼を見ようとすると「けしからんやつだ」っていうことになるけれど、「ああいうやつ、よくいるよね」ということなんです。
一般的には、日本文化のわびさびじゃないですけれど、禅みたいなものが、日本文化の柱だと思われているじゃないですか。でも、じつはああいう派手な、歌舞伎的なヤンキー文化が日本文化のもう一つの柱としてあるんですよ。
つまり千利休の茶の思想は素晴らしくて、秀吉が金の茶室を無理やり作らせたのはけしからん、という話になりがちなんですけど、ああいうきらびやかなものを尊ぶ文化は昔から綿々と続いてきている。僕はああ、日本はやっぱり「ふたつの軸がある」んだなと思うんです。
アメリカが山本太郎を賞賛するというのは、要は、アメリカではヤンキー的できらびやかな文化がメインストリームなわけです。アメリカ人って、スーパーマンとか、そういうヒーローものが好きでしょう。彼らのメインストリームはヒーローを賞賛するということ。すごく分かりやすいんです。
片岡:山本太郎はアメリカ人には受け入れられやすい、ということですね。
小山:ヤンキー文化ってそもそも英語のヤンキーから来てますしね〜。派手で分かりやすい。そういう、シンプルな情に訴えるような文化という軸で斬っていくことで、いろいろわかる。ヤンキー文化って、ヨーロッパにもアジアにも、アメリカにも、アフリカにもあって、そういう軸でつないでいくとすごくわかりやすいと思うんです。
片岡:今お話を聞いていて「動」(ヤンキー、派手さやヒーローを追い求める価値観)と「静」(わび、さびを大事にする価値観)という漢字が浮かんできたんですけれど。「静」の方も全世界的につながっていたりするんですか?
小山:つながっていると思いますよ。それはていねいに見てからでないと、軽々しくは言えないですけれど。やっぱりアメリカに住んでいてみんなこう軽薄に「イエーイ!」ってホットドッグ食べているかっていうと、そうではないですよね。
ただ、向こうはどちらかというと「静」は合理性にいくんじゃないかな。「イエーイ!」という文化の対極にあるのは、ある種の合理性の思想だと思います。結局、日本の制度、静かな文化っていうのは複雑化するんですけれど、アメリカの静かな文化っていうのはどちらかというと単純化するっていうことに落ち着きますね。ちょっと表れ方が違うと思います。