昨日の記事(Amazonのドローン便が示唆する労働集約型産業の終わり - LIFEHACK STREET 小山龍介ブログ)に続いて、今日もAmazonを取り上げる。AmazonFreshという生鮮食品配達のサービスである。シアトル、ロサンゼルスにつづいて、サンフランシスコでも始まったという。
記事にもある通り、それほど大きな利益はでないだろう。しかしそれでも進めているのは、顧客の購買すべてを囲い込むためだ。
食品販売は、さほど儲けの大きいサービスであるとは言えないだろう。しかしAmazonは、消費者の「購入」エクスペリエンスを一手に担いたいと考えている様子。電化製品、洋服、家具、などなど、すべてをAmazonから提供したいと考えているわけだ。
Amazon、生鮮食品を販売するAmazonFreshを来週中にもサンフランシスコで展開予定 | TechCrunch Japan
これは、セブンイレブンが異常な低価格でコーヒーを販売する(セブンカフェの原価は56.76円! - LIFEHACK STREET 小山龍介ブログ)のと同じようなロジックだろう。カフェ業界はセブンカフェによって大きな打撃を受けている。集客手段として割り切るセブンイレブンは、コーヒーで利益が出なくたってなんの問題もない。
イオンの出店によって地域の商店街がさびれてしまうといった、同じようなビジネスモデルでの競争はわかりやすいが、今や異なるビジネスモデルをもつ企業同士の戦いが始まっている。他に収益源をもつ企業が、赤字覚悟で参入すると、そこを収益源としている企業はとても太刀打ちができない。
AmazonFreshはあるタイミングでおそらく、スーパー業界を壊滅させるような価格体系で攻勢をかけてくるに違いない。そこで地元スーパーが耐えうるのか。そこには、単純な小売ビジネスとしての強みではない、ビジネスモデル上の強みが欠かせないだろう。
世の中はどんどん、ビジネスモデル競争の時代になってきている。