とにかく聴いてぶったまげた。すんごいかっこいい。これは文句なしでしょ。
正直、前回の録音ツアー『ひとりカンタビレ』から生まれたOTRLって、そんなに聴きこまなかった。曲はいいけど、やっぱり即興録音だからか、演奏の完成度としては、微妙に極まっていなかったんじゃないかと思ったりも。ドラムとか。
今回、OTRL同様、すべての楽器を一人で弾いているんだけど、それ知らずに聴いて、「すごい演奏メンバーだなあ。それにサウンドエンジニアもすごい!」って思って、調べたらまた演奏一人なわけです。だけど今回は、相当時間をかけて作り上げたみたいなんです。
──正味どれくらいやってたんですか?
「どれくらいだろう?……正味1ヵ月ぐらいじゃないの?」
──早いですね。
「まあ早いですよ、そりゃ。だって、聴きゃあわかんだろ? 楽器数が少ないじゃない? ドラムさえクリアしたら(笑)、ギターなんて早いもんだからさ。あとは、『オルガン入れようぜ』って言ってさ。俺、ハモンド(オルガン)持ってるんだけどさ、全然わけわかんないのよ。そういうのは時間がかかりましたよ。ちょうどエンジニアとふたりきりの時でさ、まず音が出ねえのよ(笑)。『どうやったら出るの?』って、人に電話してきいたりして」
ということで、ドラムクリアには時間がかかったみたい(笑)。でもだから、すごい。とにかく冒頭からうならされる厚い音。
というわけで、このアルバム、超オススメです。
『O.T. Come Home』は決して『OTRL』へのリベンジではない。OTいわく、「『OTRL』をちゃんとやると、こうなるんだよ」。
平山雄一 ウィークリーレビュー すばらしいひび [第1週]:奥田民生『O.T. Come Home』 | ピックアップ! | EMTG MUSIC