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文化のハブとしてのTSUTAYA大型店こそオムニチャネル化すべき

TSUTAYAの大型店出店が続いている。代官山店に始まり、前橋みなみモール店、フィオレ菖蒲店(埼玉県久喜市)、ひたちなか店、新潟万代店、そして今年の春にオープンした仙台泉店は1万平方㍍近くになるという。そこでの戦略は、文化ハブともいえる圧倒的な品ぞろえだ。

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 仙台市の中心街から独立した都市圏のなかに、仙台泉店は「紙」の需要を掘り起こしている。書籍は、人文書や専門書、趣味の本など、80万冊に及ぶ。児童書と絵本は3万冊、玩具もある。CDは1万枚、DVDは単館で公開されたマイナーな作品までとりそろえている。カフェや本を読む座席も300席ある。

電子時代に大規模書店を積極出店 TSUTAYAの戦略から見える「紙」の未来 | メディアウオッチ | デイリー・ダイヤモンド

リアルの世界もウェブの世界と同様に、というと変な感じだが、どのように集客するのかが勝負の分かれ目になっている。この品揃えはその意味で、人々を呼び集めるのに十分だろう。「時間があるからちょっと行ってみよう」と足を運ばせるだけの魅力がある。

代官山のような地価の高いところは疑問だが、ロードサイド店であれば十分採算は取れそうだ。日本の書籍流対においては再販制度があるので、返本が可能である。そのため、これだけの在庫を抱えても、いわゆる在庫リスクというのは低い。

ゆったり時間をかけて欲しい本を探す、欲しいCDやDVDを探すといった楽しみ方ができるだろう。

しかし一方で課題もある。だたリアルに販売するだけでは、店頭で見たものをスマートフォンでオンライン購入される、いわゆるショールーム化を避けられない。TSUTAYAは同時に、店頭の商品をシームレスにオンラインで購入できるオムニチャネル化していく必要があるだろう。

TSUTAYAはオンラインチャネルを自社展開する戦略もあるが、マーケットにはあまりにライバルが多い。既存のTSUTAYAフランチャイズとのカニバリも考えなければならない。必然的に動きはゆっくりとしたものになる。おそらく近い将来的に、オムニチャネル化に向けた戦略的提携を進めるのではないかと思う。