場の研究所の清水先生が先日の勉強会で、カタパルト式教育というお話をされた。カタパルトとは、短い距離で離陸するために飛行機に勢いをつけて発進させるやりかたのことだ。
人を教育するときに、レールを引いて手取り足取り教えるのではなく、ある程度の目標は定めて、勢い良く飛べるよう補助する。飛ぶ本人は自分の翼で飛んでいるように思えるし、その後どこへ向かっていくのかは本人に任せ、清水先生も関与しない。
カタパルト後端の発艦位置に着いたF-14
振り返ってみると、ブルームコンセプトの教育方針もまさにカタパルト式だ。10月に退社した渡部さんは、たった二ヶ月の在籍だったけれども、その期間にできる限りのカタパルト発進をおこなったつもりだ。
短期間での腰掛け在籍ということがわかっていながら、50万円近い教育費を投じたやりかたは、他の人からすれば無駄に見えるかもしれない。しかし彼が今、ここで大きく羽ばたくためには必要な推力だったと思う。そしてその後、彼がどこにいこうとも構わない。その後のフライトは彼の責任だ。
そうやって人の飛行のお手伝いをするなかで、改めて自分が多くの人の力を借りてきたということを実感している。そうしたサポートの本当のありがたみがわかるのは、10年以上もたってのことだ。特に東急エージェンシーでの勤務は、スキルはもちろんのこと、仕事に向かう姿勢を教えていただいた。
そのことの恩送りと考えれば、いくらやってもやりたりない。