LIFEHACK STREET 小山龍介ブログ

小山龍介公式ブログ

「直接的な贈与」ではなく、「〈場〉を経由した贈与」が負債感を小さくする

先のブログを少し補足しておきたい。 www.lifehack-street.com 大澤真幸は、『現実の向こう』のなかでこのように書いている。 しかし、贈与そのものが、より過酷な差別を生み出しうるのです。贈与は、受け取り手の送り手に対する負債感を媒介にして、受け手…

人にあてて贈与するのではなく、〈場〉にこそ与贈すべきである

人に期待すると裏切られることはある。これはしょうがない。そういうものだから。期待するのが間違っていると思う。そういう意味で、過度な期待はせず、しかししっかり関わっていこうという意味で、前回の記事を書いた。 www.lifehack-street.com 別の言い方…

地域に関わる寂しさ

地域に関わるときに難しいのは、基本的に外からやって来る人間というのは、招かれざる客だというところにある。もし地域が平和であれば、外からやって来る人などはいらないのである。地域がうまく行っていないから、「なんとかしてくれるかもしれない」とい…

〈場〉としての日本遺産の可能性

日本遺産プロデューサー派遣事業を通じて日本遺産に関わるようになって二年目。日本遺産の果たすべき役割が、クリアになってきた。 日本遺産というのは文化庁が行っている認定事業。2020年までに全国で100ヶ所程度が認定される予定で、2017年までに54ヶ所が…

発達という創造活動に導く「頭一つの背伸び」

この二つの記事の続きです。 www.lifehack-street.com www.lifehack-street.com ヴィゴツキーが「頭一つの背伸び」と呼んだ発達過程はどのようなものなのか。ニューマンとホルツマンはそれをパフォーマンスと呼ぶ。自分でない人物を演じることによって、自分…

分析単位を「行動」から「活動」へと変えることで「成ることの理論」が生まれる

この記事の続きです。 www.lifehack-street.com 心理学が「行動」を分析単位としてきたが、それは不十分だった。社会文化歴史性を無視することになるし、新しいものを生成する主体としての人間も無視してしまうことになる。行動を単位として研究することによ…

人間のサブジェクティヴィティー

名古屋商科大学の岩澤先生におすすめされた読み始めた『遊ぶヴィゴツキー』(ロイス・ホルツマン著)が面白い。 物理学が物質を、天文学が星々を研究するようにして、心理学は人間を研究することになった。こうしてきわめて容易に、心理学は人間であることの…

製品のデザインからディスコースのデザインへ

人工物、すなわちデザインの対象は、製品から商品、サービス、コミュニティー、さらにインタフェース、マルチユーザーシステム/ネットワーク、プロジェクト、ディスコース(ディスクール)へと広がっていく。この軌道に従い、流動的で、非規定的で、非物質…

言葉の「定義」というものの意義を高く評価するべきではない

少し長くなるが、引用する。 プラグマティズム入門 (ちくま新書) 作者: 伊藤邦武 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/01/06 メディア: 新書 この商品を含むブログ (7件) を見る この思想(プラグマティズム:引用者注)は一般に、言葉の「定義」という…

美醜の二のない世界としてのニライカナイ

新編美の法門 (岩波文庫) 作者: 柳宗悦 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1995/11/16 メディア: 文庫 クリック: 2回 この商品を含むブログ (3件) を見る 柳宗悦「美の法門」P88-100のメモ。 『大無量寿経』に書かれた48の大願の四番目に次のような文言が…

新しい形式を生み出す契機としてのワークショップ

美術と知能と感性―認知論から美術教育への提言 作者: アーサー・D.エフランド,Arthur D. Efland,ふじえみつる 出版社/メーカー: 日本文教出版 発売日: 2011/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 『美術と知能と感性』 刺激と反応を客観的に観察…

あけましておめでとうございます

2016年はいろいろなことがありました。一番大きな変化は、移住雑貨のお店「ニライカナイ」を自由が丘にオープンしたことですね。 新規事業「ニライカナイ」が立ち上がりました www.nirai-kanai.okinawa 移住雑貨のお店『ニライカナイ』 3/29にルーツの今津さ…

AirPods雑感

AirPodsを使ってしばらく立つんだけど、ちょっと雑感。 音についてはよくわからない。そもそも外で聞く時点でそんなに期待しないわけだけど、今まではノイズキャンセリングばかりつかっていたので、外の雑音が気になってしまう。これはAirPodsでは同しようも…

難易度を徐々に上げて学ぶ「英語多読法」

2017年は英語学習の年にしよう!と思いたち、年末から早速スタート。英語の学習法については、いくつか信頼している方法があるのだが、これもそのひとつ。英語をとにかくたくさん読むというもの。それも、使われている単語数の少ないものから徐々に難易度を…

2016年ベストガジェット5

2016年を振り返ってみて、生活を変えたベストガジェットといえば、これ。 www.apple.com Felica、いわゆるおサイフケータイに対応しておらず、今まで不便を強いられてきたiPhoneユーザーが、一気にユーザビリティを逆転したのがこれ。スマホをかざすよりも簡…

メタフィクションとしての『この世界の片隅に』から生まれる二重の居場所

居場所をめぐる物語。戦争の中で居場所を失う人たち。その失われてしまった居場所をていねいに描き出した作品。 すずの描く世界と現実の世界とが二重写しになって、そしてずれていく。あったはずの未来と、実際の現実。居場所は、私が居る場所であり、居なか…

モバイルバッテリーからMacBookへの充電

MacBook のいいところといえば、モバイルバッテリーからの充電が可能なところだろう。標準のUSBからUSB type-cに変換するケーブルを使えば、市販のバッテリーから給電・充電できてしまう。 バッテリー容量は39.5Wh。写真のモバイルバッテリーが83.6Whなので…

なぜ日本の子どもたちがひとりで学校に行けるのかーーそれは助けなしに行けるからではない

なぜ日本の子どもたちがひとりで学校に行けるのか。 www.theatlantic.com その答えは、自分でなんでもできるから(self-sufficiency)ではなく、世間への信頼(group reliance)があるからだ。「日本の子どもは早いうちから、コミュニティのメンバーであれば…

iPhone7 plusの画角56mmは風景に使える

これは東京ビックサイトからの眺め。これをiPhone7pkusの2倍ズームでとっている。35ミリ換算でこれは56mmの画角。端っこを見てもあまり歪んでない。 使って見てわかったのが、ポートレートよりもむしろ、こういう風景の方が使い勝手が良さそうだということ。…

時間を重ねるための技術

時間は重層的なものなので、その時間をどのように重ねるか、がキーになってくる。それは地域おこしの文脈でも商品開発でも、また芸術の分野でも同様である。時間をどのように重ねるということについての方法が必要になってくるのである。 地域おこしにおいて…

浅はかさから逃れるためにー『自分を捨てる仕事術』

【献本御礼】 自分を捨てて仕事ができている人は、本当に少数だと思う。最初は謙虚に捨てられても、いろいろと知識を身につけて行く中で、捨てられない自分が出てきてしまう。 捨てられなくなると、新しい知識や知恵が入ってこなくなる。帯には三年間マネし…

『秒速5センチメートル』に描かれる微細な時間

秒速5センチメートル。新海誠の魅力は、この速度が感じられるような寄りの場面に流れる時間と、そんな時間がまったく感知できないような宇宙時間の併存にある。 『ほしのこえ』では、光の速度で8年かかる距離にながれる「ほし時間」に、コンビニに立ち寄っ…

彼岸と此岸にある時間のズレ

『君の名は。』のヒット。ここ最近、映画を真剣に見てこなかったけれど、新海誠監督の過去作品を辿ってみた。 ネタバレあり。 diamond.jp

どんな状況でも「大丈夫」

後半のあざといカット(笑)。 www.youtube.com

アーモンド農園園長ヴァンダム氏

最初の出迎えの「あるある」感がすごい。間がうまい。 www.youtube.com

コンビニでの声かけ運動

コンビニでの買い物でも「ありがとう」を言おう。 私「じゃあ、悪い人は?」 経営者「決めつけるわけじゃないですが、大ざっぱに言うとですよ。おおむね、ネクタイを締めた、ダークスーツ系の中堅サラリーマン、ですねえ。例外は、いっぱいあります、ありま…

ロゴ540万円は高すぎか(正当な価格はこれ)

うーん。正直言うと、540万円は高いかもしれない。付随した制作物がどれくらいあるかにもよるけれど、もしロゴ単独なら、微妙。 www.huffingtonpost.jp リンク先でも言及があるけれど、1年しか使わないものなので、費用対効果が低いというのがひとつ。デザイ…

Apple Watch series2雑感

Apple Watch series2になってアプリの立ち上がりがずいぶん速くなりました。そのため今まで使ってなかったアプリも十分使えるようになりましたね。 今までは通知ツールとしてしか使ってなかったアプローチですが、これからはMessengerを含めて様々なコミュニ…

ソーシャルデザイン分野にデザインシンキングを適用する

ソーシャルデザイン分野にデザインシンキングを適用する。「まず障がい者のためにデザインすれば、健常者のためにデザインする場合よりも、より良い解決策に行き当たることが多いのです」 www.ted.com 「会話をリズムとして体験する、だから文章にリズムが生…

広告代理店の3倍返し

広告業界ではなにか失敗があると三倍返しという慣習がある(今もそうかは知らないけど)。慣習どおりにいけば、現状の2億3000万円について6億9000万円を支払うことになる。 business.nikkeibp.co.jp で(一般的に)契約書もない中で、会計上、本当にそういう…

地球という卵子

『君の名は。』で、彗星と受精が対比されて描かれる。地球の生命も、隕石に乗ってやってきたという説がある。隕石の落下は、地球という卵子に生命が受精した瞬間だった。 www.kiminona.com

失礼な人に遭遇したら

とある仕事で。 すごく失礼な対応をされたときって、怒るのも相手と同じレベルになる感じがしていやだし、かといってそのままやり過ごすのも腹が立つ(やっぱり同じレベル笑)。 しょうがないので、失礼な態度をとらせてしまう自分の在り方について、「まだ…

SEL50M28はよさげ!

SONYのフルサイズEマウントでこんなレンズが9/24に発売になる。50mmという標準レンズの画角、2.8の明るさ、そしてマクロ! 普段つけっぱなしで持ち歩くのに、とってもよさそう! www.sony.jp

人の免疫システムから導く、100年続くビジネスの秘訣

人の免疫システムから導く、100年続くビジネスの秘訣。 「余剰性(Redundancy)」 「多様性(Diversity)」 「モジュール式(Modularity)」 「適合性(Adaptation)」 「思慮深さ(Prudence)」 「組込み式(Embedded)」 www.ted.com

きれいにするほど散らかる「整理のパラドックス」

次回作の『片づけHACKS!』、ようやく脱稿しました! 残るはゲラの修正作業です。11月中に出るかな?! -- きれいにするほど散らかる「整理のパラドックス」 山積みになった仕事を片づけるためにも、まずは散らかった部屋(僕の部屋です)を片づけてやろうと…

「上から目線」の構造

師からの指導は、もちろん「上から目線」などにはなりえない。それは師が自分より豊かな知見を持っているからということでは、実はない。「私たちの師がその師を仰ぎ見たときの視線の仰角」が同じだからである。 芸道において、「指を見るな、月を見よ」とい…

生命論的ビジネスモデルと《機能環》

西垣通は生命情報やその担体を「それによって生物がパターンをつくるパターン(a pattern by which a living thing generates patterns)」と定義した。 続 基礎情報学―「生命的組織」のために 作者: 西垣通 出版社/メーカー: エヌティティ出版 発売日: 2008…

2015年の読書ベスト7

2015 年に読んだ本の中で、インパクトを受けたものを上げてみたいと思います。最初はこれ。 続 基礎情報学―「生命的組織」のために 作者: 西垣通 出版社/メーカー: エヌティティ出版 発売日: 2008/12/19 メディア: 単行本 購入: 3人 クリック: 10回 この商品…

2015年のベストガジェット7

【ベスト1】MacBook 2015年はAppleがらみの新製品がでて、期待半分、心配半分でしたが、総じて良かったんじゃないかと思います。まずはすっかりモバイルのパートナーとなったMacBookです。 APPLE MacBook (1.2GHzデュアルコア Intel CoreMプロセッサ/12型/8…

自分のStateをチェックするモデルとしての「型」

オーセンティックワークスの中土井僚さんとお話をしていたら、こんなすごいヒントを頂いた。「自分のStateをチェックするようなモデルは、意識を向けた瞬間に自分を補正できるし、その人のリソースを開放する」というものだ。 www.authentic-a.com 複雑な現…

28mmの単焦点レンズが面白い

ここ最近、ずっと55mmの単焦点レンズをつけていた。いわゆる標準レンズと呼ばれる画角で、見た通りの写真が撮れる。見たとおりなので、広角レンズのようにパースがかからないし、望遠レンズのように撮影対象とその背景が圧縮されたりしない。 SONY 単焦点レ…

即興性を生み出す源としての「型」

即興的になにかを生み出すということは、その場に起こる偶然を生かすということでもある。能の佐野登先生の高校でのワークショップを見学させてもらったけれど、そこでは教える相手の雰囲気などで即興的にプログラムが変化していく。 中学・高校での能のワー…

「ビジネスモデル症候群」の違和感をシステム論的に解説してみた

この記事の続きを。。。 www.lifehack-street.com 世界を客観的にすべて見通すことはできない。そのため人は、ときに不合理なこともしてしまう。限定合理性は、人の認知の限界を指摘したものだ。 限定合理性 - Wikipedia サッカーの試合で、視聴者はスタジア…

リアルタイムで進行しているコネクティング・ドッツ

即興劇において、最初の着想やアイデアがどんなふうに展開するか分からないように、人生においてどんな展開が待ち受けているかも分からない。振り返るとドットがつながるというのは、ジョブズの言うとおり。 進太郎は、楽天インターン→個人受託(サイト構築)→…

ビジネスモデルを動的に捉えるためのシステム思考の活用

ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスの構造をビジュアライズする優れたツールだと思う。ベースとなったビジネスモデルオントロジーが、まさにオントロジーとして設計されたことからもわかるように、ビジネスモデルの全体と要素を、要素間の関係性も含めて…

「ビジネスモデル症候群」に対する違和感

表題の件、かなり違和感が……。これは計画主義の抱える課題を指摘しているのであって、ビジネスモデルを構築する話とは違うんじゃないか。 新規事業開発や起業において、ビジネスモデルの設計・構築が成功率を下げている可能性があります。一般的には優れたビ…

サイバネティックスからオートポイエーシス、自他非分離の〈場〉への流れ

ノーバート・ウィーナーは、不確実で予測のできない環境変化に対応するためにどうすればよいかを考え、「サイバネティックス」という概念を生み出した。操舵手という意味のこの言葉は、予測可能な「天文学」の世界ではなく、正確な予測のできない「気象学」…

池田綾子さんのまっすぐな在り方に憧れます

いいものを作ってやろうと思ったら、いいものはできない。なんのてらいもなく、まっすぐ直球を投げたいと思っている。池田綾子さんはそういう、本当の本当のまっすぐを投げ続けているアーティストだと思う。昨日のライブは、その直球が胸にスッと入ってくる…

「土蜘」を刀で断つことの意味

能「土蜘」を演じ終わったときに、今まで感じたことのないような感動が胸にこみ上げてきた。大役をやり遂げたという達成感、といっても「やってやったぞ」という感じではなく、ただただ感謝の気持ちばかりだった。 申し合わせのときに一番気になっていたのが…

東京オリンピックエンブレム提案の締め切りは12/7正午です

明日正午に締め切りとなる東京オリンピックエンブレムの提案ですが、ブルームコンセプトとしても東京のために、日本のために提案しようと、ここ二週間ほどかけて提案作業を進めてきました。 tokyo2020.jp 面白いのは、一番最初の仮説からは結果的に大きく異…