LIFEHACK STREET 小山龍介ブログ

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起業は受動的である

ご縁があって、郡山でビジネスモデルブラッシュアップ講座を実施している。

  1. 「既成概念にとらわれない発想力を身につけよう!」
  2. 「ワールドカフェ手法による共創を体験しよう!」
  3. 「バリュープロポジション・キャンバスを描いてみよう!」
  4. 「ビジネスモデルをデザインしよう!」
  5. 「ビジネスモデルプレゼンテーション」

第一回は即興(インプロビゼーション)を使った発想力トレーニング。相手と自分との〈あいだ〉にアイデアが生まれるイメージを掴んでもらった。

今日は実は二回目。今回はワールドカフェ手法を使って、場からアイデアが共創される体験をする。co-ba郡山の雰囲気も、この共創を促進してくれるだろう。

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起業というのは、当然ながら主体性が問われる。言われてやるようなものではない。一方で、「我よし」ではできない。顧客や市場はもちろん、近江商人のいうような世間にとってもよい事業でなければ永続しない。そこに必要なのは、自己中心的な自我ではなく、真の自己である。

西田はその真の自己を「我ならずして我なり」と表現した。「我ならず」と自我を拭い去った上で、あらためて「我」と宣言する。このワークショップでも、ワールドカフェという「我ならず」のプロセスで新事業の領域を抽出して、そのうえでその領域を主体的に引き受ける第二段階の「我」を発揮する。

これは、本来、(自分の意志で生まれたわけではないという意味で)受動的であるこの生を、自分の人生として引き受けていくありかたにもつながっていく。起業もまた、受動的である。とくに社会起業の分野になればなるほど、まわりから求められて、自分の意思とは関係なく起業へと促される。その受動的な起業を主体的に引き受けるのが、「我ならずして我」の起業であり、今回のワークショップでもそういうプロセスを組み込んでいる。

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Apple Watch Series3雑感「通知デバイスから閲覧デバイスへ」

Series2からのアップデート。 

www.apple.com

プロセッサの高速化がうれしい

まず当たり前だけど、キビキビ動く。初代から比べたら格段の違いで、アプリの立ち上がりにイライラさせられることもずいぶん減った。動作だけみても、Series2からの買い替えをしてよかったと思った。70%の高速化は、しっかりと体感できる。

その高速化によって実用的だと思うようになったのが、メール。もっさり感がずいぶんなくなったので、いままではGmailアプリで通知だけさせていたのを、iPhoneの標準メールアプリでGmailを読み込ませて、Apple Watchで読むようになった。さっと内容を確認するのに、iPhoneを立ち上げるよりも手軽なのだ。同様に、Facebook Messengerも、さくさく使える。

LTE接続の恩恵は、人によるかも

それから、単体でのLTE接続。実際には、ほぼ肌身離さずiPhoneを持ち歩いているので、それほどありがたいと感じることはない。ランニングや水泳など、iPhoneを持ち歩かないシチュエーションがあると、うれしいのかもしれない。

ただ、先述の通り、プロセッサの高速化によってメールを使い始めたので、大切なメッセージを逃しにくくなった。ちょっとした近所のお出かけであれば、もはやiPhoneを持たなくてもよいのかもしれない。

通知デバイスから閲覧デバイスへ

もちろん、今までも閲覧はできたものの、しかしプロセッサがもっさりしていて、結局iPhoneで閲覧していた。もしかしたら途中のWatchOSのアップデートで改善されていたのかもしれないけれど、今回のデバイスのバージョンアップで通知デバイスから閲覧デバイスになったという印象だ。

ちなみに、通知から閲覧という話は、実はSeries2のときにも書いていた話なのだけど、結局、ちょっとした操作のストレスが、閲覧から遠ざけていたんだということに気づいた。

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スマートEXにより、Apple Watchだけで新幹線利用が可能に

9/30からスマートEXがスタート。

https://smart-ex.jp/top.php

交通系ICカードを登録すると、ウェブで新幹線を予約しICで入場できるようになるスグレモノ。ものの数分で登録できます。

今までのEX予約、一番のネックはICカードの脆弱性でした。どういうわけか、カードのICがすぐダメになり、改札を通れなくなってしまう。短期間に二回ダメになってからは、改札でICカードを使うことはあきらめ、わざわざ発券して使っていました。ウェブ予約しながら、なんたる手間。

それが今回、交通系ICでいけるとなれば、問題は解決されるし、新幹線から在来線への乗り換えも楽勝。しかもApple Watchに登録したSuicaでもいけるApple Pay対応!

これからはApple Wacthだけで出張まで可能です。

不完全な知識を前提としたアブダクションは、イノベーションに欠かせない

この記事と関連して。

 

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アブダクションは、前提として不完全な知識が前提となる。完全な知識を手にしているという前提では、アブダクションも演繹も区別はつかなくなる。

本稿ではまずアブダクションの役割を再検討して、アブダクシ ョンはそもそも不完全な知識が前提であること、その不完全な知識をもちいて新しい状況に適応する仕組みであるということであることを示した。それは抽象的には無数の知識から関係性を発見していくプロセスである。

http://www-kasm.nii.ac.jp/papers/takeda/01/jsai01takeda.pdf

 

こうした「不完全な知識をもちいて新しい状況に適応する仕組み」と考えると、これはまさに、イノベーションが起こっている領域で欠かせない推論だということはわかるだろう。すでに完全に近い知識を獲得している成熟市場においては、その打ち手は演繹的に導き出せる。しかし知識のない領域、新しく知識を獲得していかなければならない領域では、アブダクションによる推論が欠かせないのである。

また、上記の「無数の知識から関係性を発見していくプロセス」という記述からは、シュンペーターがイノベーションを定義した際の「新結合」というキーワードも連想させる。

不完全な知識という状況に置かれる即興

またこのことは、即興(インプロヴィゼーション)がアブダクション思考のトレーニングに効果的であることを示すことにもなる。舞台の上で、職業や性別など、限られた情報が与えられ、その限られた情報の中から物語を作っていく即興劇の場面は、まさに「不完全な知識をもちいて新しい状況に適応する」ことが求められる。そうした環境に置かれることで、アブダクションによる推論をせざるを得ない状況へと、人を追い込むのである。

アブダクション思考のトレーニングとしての即興(インプロヴィゼーション)

アブダクションはインダクション(帰納)とは大きく異なる。帰納は、事例を列挙していく中で共通項を探していく推論だが、アブダクションはそうではない。

 

アブダクションの定式

アブダクションは次のように定式化される。

驚くべき事実Cが発見される

しかしもしHが真であれば、Cは当然の事柄であろう

よって、Hが真であると考えるべき理由がある。

『アブダクションー仮説と発見の論理』(米盛裕二著)P54 

アブダクション―仮説と発見の論理

アブダクション―仮説と発見の論理

 

 

たとえば、赤い服を着ている女性に何人もすれ違ったことから、「この町には赤い服を着ている女性が多いらしい」と推論するのは帰納法だが、そこから「赤い服という主張の強い色を女性が着るということは、女性の権利が認められた地域なのだろう」と推論するのはアブダクションである。

前者は赤い服を着ている女性が多いという事実をそのまま言い方を変えて繰り返しただけである。後者は、そこから「女性の権利が認められている」という仮説を導き出している。

新しい発見にたどり着くには、こうしたアブダクションによる推論が欠かせない。

アブダクション思考のトレーニングとしての即興

インプロヴィゼーション(即興)は、ここでいう「驚くべき事実C」が次々と突きつけられる状況に置かれる。予定調和ではなく、まったく想定していなかったことがらCが他者(環境)によって起こされる。そのできごとを拒否するのではなく、それを受け入れ、「Cは当然の事柄であろう」とされるような文脈を創造する。

こうした「驚くべき事実C」は、現実の世界では次々に起こっている(はずである)。しかしそれを従来の文脈に引き寄せて、理解、納得している。インプロでいうYes, Andは、そういう従来の文脈に取り込むのではなく、新しい文脈形成を促すための原則である。

真因にたどり着いているか

山形大学工学部でのワークショップの中で、米沢市のもつ問題の再定義を行った。これが示唆的だったので共有したい。

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地域課題はさまざまあるが、表面に見えている「問題」は、実際には問題のあくまで表層に過ぎず、その真因がある。

今回、

・米沢市に若者が定着しない

・中心市街地に活気がない

・観光の宿泊数が伸びない

という三つの課題を市役所の方から提示していただき、その真因を探ってみた。そのホワイトボードがこれ。

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まず学生に考えてもらったところ、たとえば若者の定着の問題については、「米沢市の魅力が若者に伝わっていない」という再定義が行われた。

しかしこの再定義が真因であるようには、どうも思えない。それは、再定義された問題が解決された状態(ゴール)を設定してみるとわかる。「米沢市の魅力が若者に伝わっている状態」となれば本当に定着するのか。実際、学生たちに米沢市の魅力を知ったら定住するかと聞いたら、「No.」であった。

つまり、これは真因ではないのである。そのあとディスカッションをしていく中で、根本的な原因は「米沢ならではの特色ある仕事がない」ことが問題であるという再定義ができた。ゴール設定をすると「米沢ならではの特色ある仕事がある状態」となる。これであれば、一定の若者が米沢に定着するであろうことは、容易に推測できる。

仮に、当初の「魅力が伝わっていないことが問題」という課題設定で課題解決を進めていくと、問題は一向に解決しないだろう。そうではなく、特色ある仕事をつくるような取り組みこそが、(一見、遠回りに見えるものの)本質的な問題解決につながるのである。

山形大学工学部での地域課題解決プログラム

今日から二日間、山形大学工学部で「山形大学キャリア形成特別講義」を実施しています。午前中、デザイン思考を学び、そのノウハウを使って社会課題を解決するという内容になっています。

米沢市は、ほかの地方都市と同様、さまざまな社会課題を抱えています。午後は、市役所の商工担当の方、観光担当の方をお呼びして、米沢の抱えている問題をプレゼンしていただきました。

このあと、質問会議によるヒアリングを経て、二日目の提案に向けて作業を進めていきます。

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プログラム:

■1日目(9月25日)

10:00-10:05 開講挨拶

10:05-10:10 本講義の説明、講師のご紹介

10:10-11:00 アイスブレイク(インプロに基づくアブダクション思考)

11:00-12:30 おさいふプロジェクト(デザイン思考の体験・理解)

12:30-13:30 昼食

13:30-14:30 課題オリエンテーション (米沢市商工課、観光課、大学からの課題説明)

14:30-15:00 課題に対するヒアリング(質問会議の手法を使って)

15:00-16:00 アイデア出し

16:00- プロトタイプ製作 -20:00

 

■2日目(9月26日)

9:00-11:00 発表準備

11:00-12:00 プレゼンテーション

12:00-13:00 昼食

13:00-15:00 ビジネスモデル構築

15:00-16:00 今後の活動計画(顧客開発モデルの導入)

16:00-17:00 2日間の振り返り、アンケート

17:00-17:10 後期:産業理解特別講義の説明 

17:10-17:15 閉講挨拶